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しんしんと雪が降る。
昨日はクリスマス・イブだった。夜も更けて大分経つ。
北部では一番大きな街、スノーシティも昨晩のお祭りムードから一変、誰もが寝静まる静かな夜だった。
そんな中、市街の道端に一台の宅配用の大型車が、エンジンをかけたまま路駐していた。
そこへ近づいてゆく小さな人影・・・
助手席側のドアを開けると、小さな声で
『すっ・・・すいませんっ!!遅くなってしまって・・・』
運転席に向かって謝った。
『・・・随分と手間取ったようだな・・・、悟飯・・・』
倒されていた椅子を元に戻しながら、宅配業者の作業着を着ているピッコロは答えた。
横になっていた時に顔に伏せていた帽子をかぶりつつ、悟飯の方を見た。
『・・・っなっ!?』
一見して、言葉を詰まらせる。
と、いうのも、悟飯はサンタクロースの格好をしていたのだが、
その衣装は上は短いスカートタイプで、下はタイツ&膝下ブーツといういでたちだった。
しかし、今、ピッコロの目の前にいるのは・・・
『おっ・・・お前!!タイツはどうしたんだ?タイツは!?』
恥ずかしそうにスカートを必死に引っ張る悟飯の姿。
『えっと・・・あの・・・一番最後に回った家にネコちゃんがいまして・・・』
チラリとピッコロを見上げて、申し訳なさそうに続ける。
『そのコがえらくタイツを気に入ってしまいまして・・・、その・・・プレゼントしてきてしまいました・・・』
椅子に座ったせいで、さらに肌が露出する。
悟飯の白い肌が、街燈の明かりに照らされて、艶やかに見える。
ピッコロは、安心したように微笑をを浮かべつつ、視線をわざと逸らす。
『お前が家の者に気付かれないように、悪戦苦闘している風景が目に浮かぶぞ・・・』
『・・・もうっ・・・、笑わないでくださいよっ!!本当に必死だったんですから!!』
膨れる悟飯。
実際、ネコが悟飯のタイツに飛びついてから30分以上は離してくれるよう、説得していた。
しかしネコのタイツへの執着を解くことができず、泣く泣くタイツを脱いできたのだ。
『それにしても・・・皆さん無事にプレゼントは配り終えたでしょうか・・・?』
雪の降る窓の外に目をやりながら、悟飯は心配した。

事の発端はブルマだった。
セルゲームではなんとか地球を危機から救うことができたが、人々からはなかなか恐怖が消えなかった。
それは数ヶ月経った今でもそうだった。
そんな地球上の人々を元気付けようと言い出したのだ。
有り余る財力で地球上の人口分のプレゼントと用意し、いざという時のために、宅配業者を装うようにわざわざ車まで用意した。
そして、呼び出されたいつもの面々。
『いい?絶対に気付かれちゃだめよ!!クリスマスの朝にみんなを驚かせたいんだから!』
地球上全人口を一晩で・・・、とてつもなく無謀な願いでも、ブルマ様の声一つで実行する彼ら・・・
もう、誰もが認める最強女王だ。

そうして今に至る。

ピッコロと悟飯は北側のエリアを任された。
幸い二人の頑張りで、今ようやく全て配り終わった。

『・・・何かあれば無線で知らせてくる。今のところ何の連絡もないから、大丈夫だろう。』
ピッコロは薄着(?)になった悟飯のために車内の暖房を強くした。
悟飯はふと、物思いにふけった。
今こうしてこんな風にしていられるのは他でもない、悟空の犠牲があったからだ。
本当なら、今でも一緒になってプレゼントを配っているかも知れなかったのに・・・
『・・・何を考えている?』
ピッコロは悟飯の横顔を見た。
心が読めるし、悟飯の考えていることは大体の想像がつくので、わかってはいるが、
こうやって黙っている悟飯は、とても寂しげで見ていてつらくなる。
一刻も早く、その中から出してやりたくて声をかけた。
『そんな風に油断していると・・・見えるぞ。』
ポツリと言われて、悟飯はふとピッコロの顔を見た。
視線が合ったが、ピッコロの視線はすかさず下を指し示した。
『・・・?』
悟飯はそれに促されて、下を見た。
スカートが徐々に上にズレてしまっていた。
白いももの末に、純白の・・・
『・・・っ!!!』
悟飯は慌てて再びスカートを引っ張る。
『・・・もっ・・・もうっ!!!こっち見ないでくださいっ!!!』
『不可抗力だ。大体、ネコなんぞに油断したお前が悪い。』
きっぱりと言われて、何だかカチンときた。
『しょっ・・・しょうがないじゃないですか!!!ピッコロさんのいじわる!!』
泣きべそをかきながら、そっぽを向く。
『・・・そう怒るな・・・』
ピッコロは笑いながら自分の上着を脱いで、悟飯に差し出した。
悟飯はチラリとピッコロの方を見て、ためらいながらそれを受け取った。
『ボクって・・・怒りっぽいですよね・・・、子供だな・・・』
ピッコロのぬくもりが残っている上着をかける。
『・・・・・・怒っているお前は・・・、可愛いぞ。』
言葉にビックリしてピッコロを見る。
微笑みながら、すっかり子供扱い・・・
『からかわないでくださいっ!!』
『ほら、そうゆうのが可愛いんだ・・・』
さらに口元がニヤニヤしている。
『もうやめてください・・・』
照れも限界に近い。
『お前はなんだって、可愛いぞ。・・・何しても・・・』
ピッコロの顔が近づいてくる。
『・・・・・・やっ・・・』
真っ赤になりつつも、ちょっと抵抗する悟飯。
しかしピッコロへの愛しさがその手を緩める。
静かに、ゆっくりと瞳を閉じる。
次の瞬間、唇に触れるいつもの感触・・・
『・・・・・・んっ・・・』
ピッコロは身を乗り出して、助手席側に体を移動してきた。
業務用の広い車内でも、体格のいいピッコロが動くと、かなり狭く感じられる。
すっかり悟飯の上に覆い被さって、悟飯の唇を貪る。
悟飯はピッコロのことを気遣って、椅子を倒した。
『うわっ・・・!!』
いきなりガクンと倒れたものだから、ピッコロはバランスを失い、額どうしてぶつかる。
『・・・った・・・、すいませんっ!!大丈夫ですか?ピッコロさん!!』
悟飯は片目から涙をこぼしながらピッコロの額をさする。
『・・・お前・・・石頭だな・・・』
かなり効いているらしい。
『すいませんっ・・・!!本当にすいませんっ』
困り顔で必死に謝る悟飯。
『・・・これは、もう3倍返しじゃ済まんぞ。』
ようやく顔を上げるピッコロ。
『・・・・・・っ・・・』
悟飯はデコピンでもされるのではないかと、目をギュッとつぶった。
しばらく何も反応がなかったが、額に温かい感触・・・
デコピンの代わりにピッコロの唇がそっと触れた。
悟飯はピッコロの意外な行動にドキドキした。
そしてピッコロはおもむろに悟飯の太ももに手を滑らせた。
『・・・あっ・・・・、ピッコロさんっ・・・』
『こんなに冷たかったんだな・・・』
ピッコロの手のひらは温かくて、冷えていた肌に心地いい。・・・でも・・・
『ダメです・・・こんなところでっ・・・!!』
車の狭い中でなんて・・・すごくエッチです・・・と、悟飯は思った。
ピッコロの手はかまわずに、先ほどチラチラしてた白いものに触れた。
『・・・ここは温かいんだな・・・』
うっわっ!!!すごいエッチです!!ピッコロさん!すごくエッチですってばっ!!・・・と、悟飯は思った。
しかし恥ずかしすぎて声にならない。(口をパクパクしている状態。)
そんな悟飯を尻目に、ピッコロの手先はどんどん大胆になっていった。
下着をほんの少しだけずらして、そこに触れた。
一瞬悟飯は体をこわばらせたが、入ってきた指の感触に、すぐさま腰砕けになる。
『・・・・はっ・・・・っ・・・んっ・・!』
ピッコロの長い指は悟飯の内部を徐々に開いていった。
抵抗できないもどかしさと、恥ずかしさで瞳をギュッとつぶって、頬を上気させて喘ぐ悟飯。
ピッコロにはたまらない情景だった。
『・・・悟飯・・・オレにもプレゼントをくれるか?』
耳元で囁く。
その声は低くて、背中をゾクゾクさせるほど頭の中で響いた。
『・・・なに・・・を・・・あげればいいですか?・・・』
わかりきっていたが、一応問いてみた。
ピッコロは深く、優しくキスをしてまた耳元で囁く。
『・・・お前が・・・欲しい・・・!』
そういうと、差し入れていた指を引き抜き、ズボンのチャックを下ろした。

『・・・もう・・・とっくにピッコロさんのものですよ・・・ボクはっ・・・』
その言葉で、抑えていたもののタガが外れてしまったようだ。
既に大きくなっているそれを、悟飯にあてがう。
そして、一気に腰を沈めた。
『・・・っ!!!ああっ!!ピッ・・・コロさっ・・・んっ!!』
入った瞬間、悟飯の内部が反応して、ピッコロを締め上げる。
『・・・くうっ・・・!!』
今までにない狭い空間での行為なので、思うように体を動かせない。
しかし、それもまた今までに味わったことのない感覚で新鮮だった。
ピッコロは、悟飯の肩を固定するように抱いて、腰を動かす。
暗い車内で、大きな影からのびるブーツのシルエットが揺れ出す。
『あっっ・・・!!あっ・・っ・・・んんっ・・・・!!』
耳元で弾む悟飯の喘ぎ声が、ピッコロを更にかき立てる。
『・・・っ・・・!・・・悟飯っ!!』
その動きはどんどん激しくなって、車体全体がギシギシと音を立てて揺れた。
こんなに車が揺れちゃったら、中で何やってるかバレちゃいますっ!!・・・と、悟飯は思った。
二人の熱で、窓ガラスが曇り始める。
先ほどまで少し震えるくらいの寒さだったが、今は全て脱いでしまいたいくらいに熱を帯びている二人。
車内には悟飯の甘い声と、ピッコロの吐息と、車の軋む音が響く、今が深夜であることが本当に幸いだ。
悟飯のブーツの影がピンと緊張する。
それと同時にピッコロの首の後ろに回されている腕に力が入る。
『ああっ・・・!!いっ・・・いっちゃいまっ・・・・すっ・・・!!』
ピッコロはそれに答えるように、動きをより一層に激しくしてやった。
『・・・っああンっ・・・・っ!!はあっ・・・・ああああっ!!』
声の限り叫んで、体を震わせる。
『あっ!ああっ・・・、もっ・・・もうっ・・・・だめで・・・すっ・・・!!』
悟飯は限界を感じているようだ。しかし、ピッコロの動きは止まらない。
『悟飯っ・・・もっと!!・・・お前が欲しい!!』
腰をつかんで、自分に引き寄せる。
『・・・っやあっ・・・・はあっ・・・・!!・・・あああっ!ピッコロさん・・・っ!!』
ピッコロの服をギュッと握り締めて、果てるのを必死に我慢する。
その耐える震える声が愛しくてたまらない。
悟飯が絶え絶えに息をするたびに、内側がピッコロを締め付ける。
『くっ・・・・う・・・・っ・・・ご・・・・はんっ・・・・!!!』
ピッコロにも限界が近づいてくる。
『・・・悟飯・・・いくそ?・・・』
小さくそう言うと、悟飯はただコクコクうなずくだけだった。
というより、もうそれ以上のことができなかった。
『んんっ・・ああっ!!ピッコロさぁ・・・・んっ・・・!!』
悟飯がしぼり出すように叫ぶと。体中の力が一気に抜けた。
そしてピッコロの体がもビクっと震えて、動きが止まる。
力なくうなだれる悟飯をつぶさないように、ピッコロもシートに身を任せる。
まだまだ上がっている息を整えつつ、悟飯の髪をなでるピッコロ。
悟飯の意識は遠いところにあるようだった。震える瞳は閉じられたままで、上気した頬を涙が伝う。
自分しか見ることのできない、艶やかな悟飯。
それを見るたびに思う。これは自分だけのものだと。
『最高の・・・クリスマスプレゼントだな・・・』
そういうと、再び額にキスをした。

しばらくすると、車内に再び冷気が漂ってくる。
悟飯もようやく落ち着いたようで、うっとりした瞳でピッコロを見上げる。
『・・・気がついたか?』
いつものように、優しいピッコロの声が心地いい。
『・・・離れたら・・・、すぐに寒くなってしまいますね・・・』
にっこりと笑いながら、ピッコロに寄り添う。
『お前にも何かプレゼントをやらんとな?』
髪をなでつつ、悟飯の顔を覗き込む。
悟飯はしばらく考え込んで、チラリとピッコロを見上げる。
『あの・・・すごく・・・、くだらないものでもいいでしょうか・・・?』
『ん?なんだ?』
何を言うかと思い、不思議そうにするピッコロ。
『・・・その・・・・代えの下着を・・・』
悟飯がそういうと・・・
『「ぶっ!!!!」』
スピーカーから複数の噴出す声が聞こえた。
『・・・?』
悟飯は何事か、理解できなかったが、ピッコロはすぐさま反応した。
よく見ると、無線のスイッチがONになっていた。
最初にピッコロが暖房のスイッチを動かした時に間違えたのか、
それともピッコロが助手席側に移動した時に偶然触れてしまっていたのか・・・
いずれにしても、悟飯のクリスマスの要望は丸聞こえだったらしい。
『きっ・・・貴様ら!!どこから聞いていやがったあっ!!!』
ピッコロが無線に向かって叫ぶ。
ピッコロさん・・・それって逆ギレ・・・・と、悟飯は思った。
辺りは白白と明けつつある。
この後のピッコロの沈み具合を思うと、ちょっと苦笑いの悟飯だった。


END


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